「学校に戻って実践したくなりました」など84%が高評価、次回開催を期待する声が多数寄せられました。
- 質疑応答の内容
Q1.日本ではPTAが縮小、無くなっていく方向に進んでいますが、どう思われますか?
A.[山口区長]教育・育児を学校に丸投げではいけないという気持ちもう一度持ってもらう必要があると考えます。その上で、今の共働きやICTの進化に合った活動形態を見直す時期には来ていると思います。
A.[友永氏]日本では学校教育を先生にまかせっきりの習慣がついているので、PTAの存在が縮小していっているのではないかと思われます。
次世代を担う子供の教育には学校だけでなく、家庭、社会が連携する必要があるので
シリコンバレーの親は学校の予算が削減されればされるほど、自分の子供の教育を良くするために活発になります。
親と子供が地域の住民に寄付を募ったり、教員の定数削減でできなくなった授業へボランティアで入ったりします。
教育熱心な家庭が多い地域ほど、親が学校に入り込んでいます。
アメリカは寄付とボランティアがベースとなって社会が成り立っています。
私が所属しているNPO法人のJABI(Japan America Business Initiatives:www.JABI-sv.org)は
メンバーがほとんどメインの仕事を持っているボランティアの組織で、仕事量が少数の人に集まらないように、
できるだけ仕事を分散して、多くの人が参加できるようにしています。
A.[友永氏]日本のPTAは半強制的に参加されているので、専業主婦か事業主でないと参加できないのではないでしょうか。
多くの人がボランティア的に都合の良いときに好きな仕事で参加できるように、仕事を分担できればと思います。
学校と家庭との協力は必要です。
Q2.先生の仕事はハードですが給料が高いことはモチベーションになりますか??
A.[山口区長]一定はなると思います。休日の保証とセットである程度高額の給与が保証されれば、選択肢に入れてもらえるでしょう。また、出る杭を歓迎するというか、目立つスター教師やSNS等で活躍する教師を認めることで、カッコいい職業として認知されていく可能性は感じています。
A.[友永氏]ごくわずかの人は給料が高いことがモチベーションになることがあると思いますが本質的な問題ではないでしょう。
教員になる人は教えることが好き、子供が好き、将来を担う子供を育てることで社会貢献をしたいなど
クリエイティブを目的としているので、この目的を達成しやすくするのがモチベーションになると思います。
Q3.お二人のバイタリティはどこから生まれるのでしょうか?
A.[山口区長]一度出会った家庭や生い立ちに課題を抱えるあの子この子を何とかしたいという想いですね。そこには「こどもの頃の自分」も含まれます。
参考:映画『Mother』の感想と、その続き。|山口照美|note
https://note.com/edurepo/n/n3e0bc57c62d1?magazine_key=m631966da6f1a
A.[友永氏]シリコンバレー流に失敗はプロトタイピングと捉えて楽観的に、
興味を持って逃げずに正面からやっているからでしょうか。
講演では飛ばしましたがシリコンバレーでは「最近、失敗したことがありますか?」の問いかけを良くすることがあります。
スタンフォード大学の先生は学生にもう失敗したかとよく聞きます。
シリコンバレーでは失敗することが良くあります。
日本では失敗せずに、何もしないことが良いこととされてきました。(特に公官庁では)失敗をしていないのは、正面からやらなければならないことをせずに、周辺でとどまっていることもあります。
アドバイスをくれるネットワークをたくさん持っていることも強みでしょうか。
プロフェッショナルのLinkedinでつながっている人が約2,500人 https://www.linkedin.com/in/ted-tomonaga-2581a8/
趣味的なつながりのFacebookでつながっている人が約3,500人 https://www.facebook.com/ted.tomonaga/
シリコンバレーではネットワークは大事で、毎週ネットワーキングがあります。とんがった人と知り合うことで、元気になります。
シリコンバレーには自分が世界を変えるという人が多いので、その中にいると自分も世界を変えれるようになります。
大阪にはネットワーキングの機会が少なかったので、6年前にグランフロント大阪のOIHで日本出張時に「シリコンバレー報告会&Meetup]を主宰し、コロナ禍前まで15回行っています。
「Yes And」のWorkshopも行いました。
今回のLearn More社のForumをきっかけに、参加者で同じ志を持った人の集まりを作られたら
お互いに刺激を与えあう良いコミュニティが作れるのではないでしょうか。
Q4.教員の働き方改革と働かせ方改革に対して、なぜ文科省は根本的な原因に触れようとしないのですか?
A.[山口区長]財務省と35人学級でも相当にもめましたが、文科省はやる気だけれど人員増については財政がついてこないというところで及び腰な面があると思います。ただ、部活動改革など進んでいる面もあるので、そこは認めていかないと官僚のモチベーションも上がらないので、現場と文科省がいい連携をする必要性は感じています。
A.[友永氏]必要なら文科省のネットワークに聞いてみますよ。
Q5.山口区長にとっての学校のマネジメントのポイントは?
A.[山口]区長]前例を疑う、外部人材も含めてチームを作る、コミュニケーションの量を増やして理解者を増やす、というところでしょうか。講演で話した「後方支援と広報支援」ですね。市教委へも交渉・提案は惜しまないようにしていました。